目先の利益をあげるだけではない、1000年続く企業を本気で作る税理士の冨永英里です。
時代に翻弄されない普遍的な会社経営の原理原則があります。
どんな時代でも利益をあげられる会社経営のお話をしていきたいと思います。
1on1ミーティングにおいては、上司の「傾聴スキル」が大切だと申し上げました。
そして前回のblogでは、傾聴しているようでしていないパターンをいくつか説明しました。
今回は傾聴するための「訓練」についてお話したいと思います。
<訓練の手順>
「訓練」は、3人のグループを作り3つの役割に分けます。 「部下役(話し手)」 「上司役(聞き手)」 「観察者(話し手と聞き手を見る人)」 ↓ 最初に取り組むのは3分など短い時間で、「部下役(話し手)」が「上司役(聞き手)」 に最近思っていること、悩んでいることなどを話し始めます。 「上司役(聞き手)」はそれを傾聴の態度で聞きます。 そのやりとりを「観察者(話し手と聞き手を見る人)」は観察します。 ↓ 3分が終わったら、3者のそれぞれの感想を伝え合います(1人1分)。 ○「部下役(話し手)」は、相手に自分の話を聴いてもらえたかどうかの感想をいいます。 ○「上司役(聞き手)」は、以下に示す「傾聴の心構え」を持って傾聴できたかどうか自分の感想をいいます。 ○「観察者(話し手と聞き手を見る人)」は2人の話を観察して気がついたこと思ったことなどをいいます ※伝え合うときは本当に自分が感じたことなどを伝えますが、相手を批判したり、傷つけたりする伝え方は控えてください。 ↓ その後、役割を交代し、1人がこの3者全ての役割を体験していきます。 |
<傾聴の王道ルール>
3分の間、上司役(聞き手)は以下の点に注意して傾聴します。
傾聴の仕方としては、アメリカの心理学者で、来談者中心療法を唱えたロジャースによるものがとても参考になります。
ロジャースは、
「そもそも人間には自己実現する力が自然に備わっている」
という考え方を持っています。
そしてカウンセラーの役割として、
「相談を受ける者は、答えを提示して悩みを解決するのではなく、相手が悩みを自分なりに解決することをサポートすること」
この考え方を傾聴の土台とします。
そしてその上で以下の3つの態度でのぞみます。
1 相手の全てを受け入れる(受容)
意見やアドバイスは厳禁です。
部下役の言葉に対して、頷きをしたり、「なるほど。。そうなんですね」と全てを受け入れます。
※言葉尻だけとらえて「なるほど。。そうなんですね」と言うと、相手にばれてしまいます。真摯な気持ちで全てを受け入れてください。
2 相手への「共感」
世間一般で言われている「あ~わかるわかる!」という同感とは全く違います。
ここでいう「共感」は、
「あたかも」相談者が体験したことを一緒に体験してみようという態度です。
※重要なのは「あたかも」です。
これを見失ってしまうと相手に巻き込まれ相手を受け止められなくなるので要注意です。
3 自身の価値観や信念や感情は持ち続けること
これは「自己一致」と言われているものです。
「自己一致」とは、「本当の自分」と「自分の振るまい」が一致していること。
例えば、「部下役(話し手)」の話に「?」と思った部分があるのに、頷くという行為は自己一致していないということになります。
もし「部下役(話し手)」の話の中でわからない点が出てきた場合は、そのまま聞き流してしまうのではなく、相手に「教えてください」という立場で内容を理解するように真摯な態度でのぞんでください。
※ロジャースがこのような手法を提唱したのは、ロジャース自身のカウンセラーの実体験によるものだそうです。そんな話をこのブログの最後に紹介していますので、よかったらどうぞ。
社内で1on1ミーティングをする場合は、上司に対して社内研修としてこの訓練(ワーク)を行います。
このワークには、社長も参加して上司の傾聴力のレベルが上がったかどうか自らの目で判断してください。
あ!、社長自身が傾聴力に自信がない場合は、社長自身の傾聴力アップのためにも自らがこの訓練(ワーク)を体験してみるのもよいと思います。
社内で行うと、忖度が働く危険性があるので、忖度の働かない人間関係のところでおこなうのがベストです。(よかったら私と一緒に傾聴力レッスン、やってみるのも楽しいかもしれません(^_^;)
ロジャースの体験談
ロジャースが30代、児童相談所に勤めていた頃のことです。 息子の乱暴で相談に来ていた母親がいました。 問題の原因は少年が幼いときに母が彼を拒絶したことにあることは明白でした。 が、何度面接を重ねても、母親はそれを受け入れられませんでした。 そこで12回目の面接の後、 「これ以上できることはない」としてカウンセリングを打ち切ったのです。 すると別れ際、母親に「子育て相談ではなく、大人のカウンセリングは行っていないのか」と聞かれ、今度は母親自身の悩み相談に切り替わってカウンセリングを再スタートさせたのです。 母親は以前とは全く違った感情で夫婦生活への絶望などを語り始めました。 このカウンセリングにより彼女はどんどん変わっていきました。 そしてついに夫婦関係が改善されたばかりではなく息子の問題行動も消えていったのです。 氏はそこで気がつきます。 何が問題かを知っているのはカウンセラーではなく、クライアント自身であることに。 クライアントの内部から自発的に生じてくるプロセスを徹底的に尊重することでその人が自己成長し悩みが解決していくことを。 氏は後にこの体験が「決定的な学習体験だった」と述べています (出典:「カール・ロジャーズ入門―自分が“自分”になるということ」諸富祥彦)。 |
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